フリーランスエンジニアは何年目で独立できる?各社の公式の目安と、辞める前に確かめること

実務経験が2〜3年になり、フリーランスとして独立していいのか、まだ早いのかで迷っている人に向けた記事です。各社の公式ページに書かれた「何年目」の目安と、会社を辞める前に確かめることを並べたので、自分が今動くか、もう少し経験を積むかを決められます。
この記事の結論
- 今辞めてよいかは、年数より次の3つで判断するのが当サイトの考えです。設計から実装まで自分で担当した経験があるか、住んでいる地域から通える案件やリモートの案件があるか、週何日働けるかです(確かめ方の表)。
- 実務経験の年数を公式に書いていたのは、確かめた5社のうち PE-BANK(よくある質問で「実務経験を2年以上」を目安、2年未満の人も活躍していると記載)と、Midworks の公式コラム(「案件獲得をするためには2年は必要」)でした(2026年10月26日に確認)。
- ほかの3社では、登録の条件としての年数の記載を確認できませんでした。実際の条件は案件ごとに「実務経験5年以上」「3年以上」のように決まります。
- 辞めたあとは、国民年金の手続きが退職日の翌日から14日以内、国民健康保険の届出も14日以内です(会社の健康保険の任意継続を選ぶなら退職日の翌日から20日以内)。開業届は、事業を始めた年の確定申告の期限までに出します。
目次(8項目)
何年目なら独立してよい?公式の目安はある?
公式に年数の目安を書いているところは少なく、当サイトが確かめた5社では2社でした。PE-BANK はよくある質問で「当社では、実務経験を2年以上としておりますが、こちらは、一つの目安であり、実務経験2年未満の方も多数活躍されています」と答えています。Midworks は公式サイトのコラムで、見出しに「フリーランスが案件獲得をするためには2年は必要!」と書き、会社員を上回る収入を得るには3年程度が必要という見方も示しています(2026年6月9日更新の記事)。
どちらも「2年」を挙げていますが、登録を断る線として書かれているわけではありません。案件に入れるかを決めるのは、企業が案件ごとに出す条件です。ITプロパートナーズの公開案件には「Webシステム開発の実務経験(5年以上)」「Rubyでの開発経験3年以上またはtoC Saas企業でのRubyエンジニア経験1年以上」のような条件が並んでいました。
当サイトの見方では、「何年目か」は入口の目安で、案件の条件に合うかは「何をどこまで自分で担当したか」で決まります。同じ3年でも、テストと運用保守だけの3年と、詳細設計から実装まで任された3年では、応募できる案件が変わります。
各社の公式ページには、どんな目安が書かれている?
5社の公式ページ(よくある質問・公式のコラム・利用規約を含む)で、独立する前の人が気にする条件を並べました。並びは確認した順で、評価の順位ではありません。当サイトの報酬の有無でも順番を決めていません。
| 比べる軸 | PE-BANK | Midworks | レバテックフリーランス | フォスターフリーランス | ITプロパートナーズ |
|---|---|---|---|---|---|
| 実務経験の年数 | よくある質問で「実務経験を2年以上」を目安。2年未満の人も多数活躍と記載 | 公式コラムで「案件獲得をするためには2年は必要」。よくある質問に年数の条件はなし | 年数の記載は確認できず。公式ガイドに「フリーランス未経験者でも利用可能」(フリーランスとして働いた経験がなくてもよい、という意味) | 記載を確認できず | 登録の条件はなし。案件ごと(例「実務経験(5年以上)」) |
| 年齢 | よくある質問で、年齢が高くても案件はあるが、スキルや経験で条件は異なると回答 | 記載を確認できず | 記載を確認できず | 記載を確認できず | 利用規約で、未成年者は登録を断る場合あり |
| 地域 | 「全国主要13都市」(札幌・仙台・東京・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・岡山・四国・広島・福岡・北九州)で支援 | トップの案件は東京・大阪・京都・神奈川・愛知・埼玉など | トップの案件は東京・大阪など | よくある質問で、東京中心で、神奈川・千葉・埼玉など関東近郊の案件もあると回答 | 案件によって「都内へ週3日程度出社」などの条件 |
| 会社員のうちに相談できるか | よくある質問で、就業中でもエントリーしてよい、退職予定日が決まっていなくてもまず状況を聞かせてほしいと回答 | 記載を確認できず(週3・4日の常駐は可能と回答) | 公式ガイドに「まずは話だけ聞いてみたい」という人も歓迎と記載 | 記載を確認できず(案件に就業中の人への紹介は「積極的に」と回答) | 記載を確認できず |
2026年10月26日に、各社の公式トップページ・よくある質問・公式のコラム・利用規約で確認。「記載を確認できず」は、当サイトが読めたページに記載が見つからなかったという意味で、条件がないという意味ではありません。登録の前に、公式サイトか面談で確かめてください。
年数のほかに、自分で何を確かめればよい?

当サイトが独立の前に確かめたいと考えるのは、次の4つです。
| 確かめること | 確かめ方 | 足りないと分かったら |
|---|---|---|
| 自分で担当した工程 | 職務経歴書に、案件ごとに「設計」「実装」「テスト」のどこを自分で決めて進めたかを書き分けてみる | 今の職場で担当を広げる。設計から任される職場に転職する |
| 使える技術と、案件の技術 | フリーランスの公開案件を10件ほど読み、条件に並ぶ言語・環境のうち、実務で使ったものに印を付ける | その技術を使う仕事を今の職場か転職先で作る |
| 通える案件・リモートの案件 | 公開案件の勤務地とリモートの可否を見る。上の表の地域の行も参考に | リモートの案件に絞る。地方に拠点のあるエージェントを選ぶ |
| 働ける日数 | 週5日か、週3〜4日か。副業として週1〜2日だけなのか | 週5日の案件に入れる時期まで待つ。副業から始める |
経歴の書き出し方は、SESから抜け出す順番の棚卸しの表がそのまま使えます。すでにエージェントに登録して「紹介できる案件がない」と言われた人は、理由の見分け方をフリーランスエージェントの審査に落ちたときの記事にまとめています。
モデルケース: 実務3年で、独立の時期を決める場合
次の条件は説明のための架空の例です。Web 系の受託開発の会社で3年、うち直近1年は詳細設計から実装までを担当。首都圏に住み、週5日働ける、とします。
- 公開案件を読み、条件に並ぶ言語のうち実務で使ったものが多いと分かります。
- 会社員のまま、PE-BANK のように就業中のエントリーを受け付けるエージェントに相談し、自分の経歴で紹介できる案件があるかを聞きます。
- 紹介できる案件があると分かってから、退職日と最初の案件の開始日を決め、下の手続きの期限を逆算します。
この流れで、案件への参画や収入が約束されるわけではありません。
会社を辞める前に、どんな手続きを確かめておく?

会社を辞めて独立すると、健康保険・年金・税の手続きを自分ですることになります。期限が短いのは健康保険と年金です。公的機関のページで確かめた期限を並べました。
| 手続き | 期限 | 出す先 | 出典に書かれていること |
|---|---|---|---|
| 国民年金の加入(第1号被保険者) | 退職日の翌日から14日以内 | 住所地の市区役所・町村役場 | 本人または世帯主が「国民年金被保険者関係届書(申出書)」を出す。基礎年金番号通知書かマイナンバーカードなどを持っていく(日本年金機構) |
| 国民健康保険の加入 | 14日以内 | 住んでいる市町村の国民健康保険の窓口 | 被保険者となったとき、脱退するときなどは14日以内に届け出る(厚生労働省) |
| 会社の健康保険の任意継続(国民健康保険の代わりに選ぶ場合) | 退職日の翌日から20日以内(20日目が土日・祝日なら翌営業日) | 住んでいる都道府県の協会けんぽ支部(会社の健康保険が協会けんぽの場合) | 退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上あることが条件。加入できるのは2年間。事業主の負担分も自分で払うため、保険料は退職時の健康保険料の2倍になる(上限あり) |
| 個人事業の開業届(個人事業の開業・廃業等届出書) | 事業を始めた年分の確定申告の期限まで | 納税地を所轄する税務署長 | e-Tax で出すこともできる(国税庁) |
| 青色申告の承認申請書(青色申告をする場合) | 原則、青色申告をする年の3月15日まで。その年の1月16日以後に開業したときは、事業を始めた日から2か月以内 | 税務署 | 国税庁のタックスアンサー No.2090 |
2026年10月26日に、日本年金機構・厚生労働省・協会けんぽ・国税庁のページで確認。家族の扶養に入る場合や、会社の健康保険が協会けんぽ以外(健康保険組合)の場合は、手続きの先や条件が変わります。国民健康保険の保険料は市区町村ごとに違うので、任意継続とどちらにするかは、住んでいる市区町村と加入している健康保険に保険料を聞いて比べてください。税の判断に迷うときは、税務署か税理士に相談してください。
取引のルールも、独立の前に知っておくと契約のときに困りません。2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法の要点(取引条件の明示、原則60日以内の報酬の支払いなど)は、審査に落ちたときの記事の「独立する前に知っておくルール」にまとめています。
まだ早いと分かったら、どうする?
経験が足りないと分かったら、独立をあきらめるのではなく、先に会社員として経験を積む順番もあります。当サイトが考える道は2つです。
- 今の職場で担当を広げる: 小さな機能を設計から最後まで任せてもらう、設計のレビューに入る、など。職務経歴書に「自分で担当した」と書ける経験が増えます。
- 設計から任される職場に転職する: SES や下請けの現場でテストや運用だけが続くなら、職場を変えるほうが早いこともあります。SES からの行き先はSESから抜け出す順番、年数ごとの考え方はSES 2年目・3年目の転職の判断表にあります。
独立したあとに会社員へ戻る道もあります。戻るときに確かめることは、フリーランスから会社員に戻るときの記事にまとめました。
自分の状況なら、どこに相談すればよい?
外部の公式サイトへ移動します
独立していい経験なのか自分では判断がつかず、会社を辞める決心がつかない人へ
辞める前に、自分の経歴で紹介できる案件があるか、または転職で何を積むべきかを聞けます
向いている人
- IT の実務経験が2年ほど以上あり、設計から実装までを自分で担当した経験がある人 → フリーランスのエージェント(下の Midworks など)
- 経験がまだ足りないと分かり、まず会社員として担当を広げたい人 → IT エンジニア特化の転職エージェント(下の TechGo など)
向いていない人
- IT の実務経験がない人 → 独立より先に、相談先の選び方の「経験年数」の節で未経験からの道を見る
- 50代以上で、独立するかどうかから考え直したい人 → 相談先の選び方の「年齢」の節
- 首都圏・関西以外に住んでいて、常駐の案件に通えない人 → 地方にも拠点のあるエージェントを探すか、地元で転職する(地方の社内SE求人の探し方)
実務経験があり、独立したら紹介できる案件があるかを聞きたい人
- 費用
- よくある質問に「利用料金は一切かかりません」とあり、案件情報の閲覧・登録・相談・参画・その後のフォローまで無料と書かれています
- かかる時間
- 面談の長さ・方法は、確認した公式ページに記載がありませんでした
- 分かること
- 自分の条件で紹介できる案件があるか。週3・4日の常駐の案件は人気があるため、まず面談で相談するよう案内されています
- 申込後の連絡
- 面談後の連絡の扱いは、確認した公式ページに記載がありませんでした
独立はまだ早いと分かり、転職で経験を積みたい人
- 費用
- サービスは「完全無料」と公式サイトにあります
- かかる時間
- 面談の長さ・方法は、確認した公式ページに記載がありませんでした
- 分かること
- 担当した開発・使用技術・役割のヒアリングをもとにした、キャリアの方向性の整理(現職に残る場合の選択肢を含む)と、条件に合う求人
- 申込後の連絡
- 転職を決めていない段階でも相談でき、紹介された求人に応募するかは面談後に自分で決められる、と公式サイトに書かれています
上の内容は Midworks と TechGo の公式サイトに書かれていることです(2026年10月26日に確認)。
よくある質問
実務1年で独立するのは無理?
無理とは言い切れませんが、確かめた公式の目安(PE-BANK の「2年以上」、Midworks のコラムの「2年は必要」)より短くなります。Midworks のコラムは、経験年数1年での独立を「非常に厳しい」としています。1年で考えるなら、まず会社員のままエージェントに相談し、紹介できる案件があるかを確かめてから退職日を決めるのが、当サイトのすすめです。
会社に勤めたまま、フリーランスのエージェントに相談してよい?
PE-BANK はよくある質問で、就業中でもエントリーしてよいと答えています。ほかの会社は、確かめたページに記載がありませんでした。登録する前に、各社の公式サイトで確かめてください。副業として案件を受けるなら、今の会社の就業規則で副業が認められているかも確かめます。
開業届は、退職してすぐに出さないといけない?
国税庁のページでは、提出の期限は「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限」です。ただし、青色申告をするなら、承認申請書は事業を始めた日から2か月以内(その年の1月16日以後に開業した場合。1月15日までの開業なら、その年の3月15日まで)が期限なので、開業届と一緒に考えておくと漏れません。
出典
- PE-BANK よくあるご質問・PE-BANK 公式サイト(2026年10月26日に確認)
- Midworks 公式サイト(よくある質問を含む)・Midworks「何年の経験でフリーランスエンジニアは案件を獲得できる?」(2026年10月26日に確認)
- レバテックフリーランス 公式サイト・レバテックフリーランス「未経験でもOK?よくある質問も紹介」(2026年10月26日に確認)
- フォスターフリーランス よくあるご質問(2026年10月26日に確認)
- ITプロパートナーズ 公式サイト・利用規約(2026年10月26日に確認)
- TechGo サービスのご紹介・TechGo のキャリア相談(2026年10月26日に確認)
- 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」・「会社を退職したときの国民年金の手続き」(2026年10月26日に確認)
- 厚生労働省「国民健康保険の加入・脱退について」(2026年10月26日に確認)
- 協会けんぽ「任意継続」(2026年10月26日に確認)
- 国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」・タックスアンサー No.2090「新たに事業を始めたときの届出など」(2026年10月26日に確認)