はたらき手帖

転職の相談先は、職種と年齢で決まる。

キャリア相談・未経験からの一歩

50代のキャリアの見直しは何から:定年前に確かめる3つと、公的窓口を中心にした相談先

定年や継続雇用の話が見えてきて、このまま今の会社に残るか、移るか、別の働き方を始めるかを考え始めた。そんな50代が、何から確かめて、どこに相談すればよいかを決めるための記事です。

この記事の結論

  • 最初に確かめるのは3つです。勤め先の定年と継続雇用の条件(就業規則・人事)、年金の見込額(ねんきん定期便・ねんきんネット)、これまでの経験の棚卸し(ジョブ・カード)。
  • 相談先は、まず無料の公的な窓口から当たれます。年金は年金事務所・街角の年金相談センター(予約相談)、働き方の整理は国の無料のキャリアコンサルティング、求人はハローワーク、概ね60歳以上で再就職などを目指す人はハローワークの生涯現役支援窓口。
  • 自治体が50代向けのキャリア講座を開いていることもあります。住んでいる市区町村・都道府県のサイトで探せます。
  • 受講料を払ってでも転職や複業の準備に伴走してほしい人には、40代以上を想定したキャリアスクールもあります。60歳以上の人は、まず公的な窓口へ。
目次(6項目)
  1. 定年の前に、まず何を確かめる?
  2. 50代は、どこに相談できる?
  3. 残る・移る・複業を始める、どう比べる?
  4. 60歳を過ぎてから相談するなら、どこ?
  5. よくある質問
  6. 出典

この記事の制度・窓口・サービスの条件は、2026年10月26日に厚生労働省・日本年金機構・各社の公式サイトで確かめたものです。年金の額や雇用の条件は人によって違うため、当サイトは個別の額や結論を出しません。最後は窓口で確かめてください。

定年の前に、まず何を確かめる?

働き方を比べる前に、今の会社に残った場合の条件と、年金の見込みを数字で確かめます。比べる材料がないまま相談に行くと、話が一般論で終わりやすいからです(当サイトの見方)。

確かめること何で確かめる分からないときの相談先
勤め先の定年と、65歳までの継続雇用の条件就業規則、人事部への問い合わせ勤め先の人事。職場のトラブルになったときは総合労働相談コーナー
年金の見込額ねんきん定期便(毎年誕生月に届く)、ねんきんネット年金事務所・街角の年金相談センター(予約相談)
これまでの経験で何ができるかジョブ・カード(職務経歴の書き出し)国の無料のキャリアコンサルティング

定年と継続雇用は、法律でどう決まっている?

厚生労働省の案内では、定年を65歳未満に定めている事業主は、「65歳までの定年の引上げ」「65歳までの継続雇用制度の導入」「定年の廃止」のどれかの措置をとる必要があります(高年齢者雇用安定法第9条)。継続雇用制度は、平成25年度以降は希望者全員を対象とすることが必要とされています。70歳までの就業機会の確保(70歳までの定年の引上げ、継続雇用制度(他の事業主によるものを含む)、定年の廃止、業務委託契約を結ぶ制度、社会貢献事業に従事できる制度のどれか)は、令和3年4月1日から事業主の努力義務です(同法第10条の2)。

どの措置をとるか、継続雇用のときの仕事内容や賃金がどうなるかは、会社ごとに違います。まず就業規則と人事で確かめてください。賃金の引下げなど職場のトラブルになったときは、都道府県労働局や労働基準監督署などにある総合労働相談コーナーが、無料・予約不要で相談を受けています(厚生労働省の案内)。

年金の見込額は、どこで分かる?

ねんきん定期便は毎年誕生月に届きます。50歳以上の人の定期便(59歳は封書、それ以外の年齢ははがき)には「老齢年金の種類と見込額」が載ります。日本年金機構のよくある質問によると、50歳以上の人の見込額は「現在加入している年金制度に、60歳まで同じ条件で加入し続けたものと仮定して算出した」額です。ねんきんネットでは、パソコンやスマートフォンから年金記録を確かめられます。

見込額の見方や受け取り方を相談したいときは、全国の年金事務所・街角の年金相談センターで予約相談を受けています。電話で予約するときは、基礎年金番号が分かるもの(基礎年金番号通知書・年金手帳・年金証書など)を手元に用意するよう案内されています。

経験の棚卸しは、何を使えばよい?

厚生労働省のジョブ・カードが使えます。国の無料のキャリアコンサルティングでは、申し込んだあと、日程の調整とジョブ・カードの事前作成をしてから相談に進む流れです。相談の例には「定年を見据えた働き方を相談したい」が挙げられています。

50代は、どこに相談できる?

年金・雇用の条件・働き方の整理・求人は、それぞれ得意な窓口が違います。下の表は、相談したいことごとに、公的な窓口を先に並べたものです。並びはおすすめの順位ではありません。

相談先相談できること(公式の案内)費用対象・年齢
年金事務所・街角の年金相談センター年金の相談(予約相談あり)確認したページに記載がありません—
国の無料のキャリアコンサルティング(キャリア形成・リスキリング支援センター、ハローワークの相談コーナー)これからのキャリアの相談。相談の例に「定年を見据えた働き方を相談したい」。職業紹介はしない無料在職者・求職者。確認したページに年齢の条件の記載はありません。60分、対面かオンライン
ハローワーク就職の相談・職業紹介、応募書類の作成や面接のアドバイス無料在職中でも求職登録ができます
ハローワークの生涯現役支援窓口シニア世代に合わせた求人の開拓、履歴書・職務経歴書の書き方や面接のガイダンス、シルバー人材センターなどの情報提供。定年退職の前の節目などに、年金などの社会保障制度を踏まえた職業生活全般の相談も受けると案内している労働局もありますハローワークの相談・職業紹介などの就職支援は無料(ハローワークのよくある質問)概ね60歳以上。65歳以上を重点的に支援
総合労働相談コーナー解雇・賃金の引下げなど、職場のトラブル無料・予約不要働く人・事業主など
自治体のキャリア講座(例: 福岡市)セカンドキャリアを考える講座(下の例)例の講座は無料講座ごとに違う
40代以上向けのキャリアスクール(ライフシフトラボ)転職・AI・複業起業のコース。転職コースでは応募書類の添削・面接対策・応募の代行などの支援無料個別説明会あり。受講は有料で、金額は説明会で案内年齢の制限はなく、40代以上を想定(公式 FAQ)。転職コースのメインの対象は45歳以上

公開事例: 福岡市の「50代から考えるキャリア講座」

福岡市の案内によると、同市は2024年に、主に50歳から64歳の福岡市民を対象にした無料の「50代から考えるキャリア講座」を開きました。準備編(マネープランや多様な働き方)、自己分析編(これまでのキャリアの振り返り)、計画作成編(具体的な行動計画)の3回で、夜の時間帯に市内の会場で行われ、準備編はオンラインでの視聴もできるとされていました。運営は市の受託事業者です。

出典: 福岡市「50代から考えるキャリア講座」(チラシ)(2026年10月26日に確認。2024年の開催分で、今年の開催は同市の案内で確かめてください)

同じような講座を開いている自治体はほかにもあります。住んでいる市区町村・都道府県のサイトで「キャリア講座 50代」「セカンドキャリア」などの語で探すと見つけやすくなります(当サイトのすすめ)。

残る・移る・複業を始める、どう比べる?

残る・移る・複業の3つの道を、同じ大きさの3枚のカードに建物と小さな工房で描き分けて並べたイラスト
残る・移る・複業を、同じ項目で比べる(イメージ)

3つの道を、同じ項目で比べます。下の表は当サイトの整理で、どれがよいかは人によって違います。上の3つ(継続雇用の条件・年金の見込額・経験の棚卸し)がそろっていると、表の空欄を自分の数字で埋められます。

比べる項目今の会社に残る(継続雇用など)別の会社に移る複業・独立を始める
先に確かめること継続雇用のときの仕事内容・賃金・契約の期間自分の経験と地域で、求人があるか勤め先の就業規則で複業ができるか、何を売れるか
どこで確かめる就業規則・人事ハローワーク、職種特化の転職エージェント就業規則・人事。独立の考え方は国の無料のキャリアコンサルティングでも相談できる
年金との関係見込額と受け取り方は、年金事務所・街角の年金相談センターで確かめる(当サイトは個別の判断をしない)

転職エージェントに年齢や経験で断られたときの見分け方と行き先は、転職エージェントに断られたときの記事にまとめています。会社員エンジニアがフリーランスとして独立する場合は、フリーランスエージェントの審査に落ちたときの記事で、各社の公式の対象条件を並べています。

60歳を過ぎてから相談するなら、どこ?

ハローワークの生涯現役支援窓口です。厚生労働省の資料では、対象は「再就職などを目指す概ね60歳以上の方」で、65歳以上の人を重点的に支援するとされています。シニア世代の採用に意欲的な企業への求人の開拓、履歴書・職務経歴書や面接のガイダンス、職場見学・職場体験・技能習得のための講習(無料)の情報提供、シルバー人材センターなどの関係機関の案内が受けられます。

この記事で取り上げた有料のスクールは40代以上を想定しており、60歳以上の人には、当サイトはまず公的な窓口をすすめています。窓口が設けられているハローワークは、住んでいる都道府県の労働局のサイトで確かめられます。

よくある質問

50代でも転職エージェントは使える?

使えるかどうかは、そのエージェントが持っている求人によります。登録しても紹介できる求人がないと言われることがあり、その理由の見分け方は転職エージェントに断られたときの記事にまとめています。ハローワークは在職中でも求職登録ができます。

年金はいくら受け取れるか、この記事で分かる?

分かりません。額は加入の記録によって人ごとに違うため、ねんきん定期便・ねんきんネットで確かめ、受け取り方の相談は年金事務所・街角の年金相談センターで受けてください。

40代のうちに相談しておいたほうがよい?

当サイトは、時期よりも「比べる材料がそろっているか」で決めることをすすめています。40代の相談先は、40代のキャリア相談の振り分け表にまとめています。

向いている人

  • 50代(59歳まで)で、継続雇用の条件と年金の見込みを確かめたうえで、転職や複業の準備を誰かと一緒に進めたい
  • 受講料を払ってでも、応募書類の添削や面接の練習などの伴走がほしい

向いていない人

  • 60歳以上(→ ハローワークの生涯現役支援窓口。上の節)
  • 年金の額や受け取り方を知りたい(→ ねんきん定期便・ねんきんネット、年金事務所・街角の年金相談センター)
  • お金をかけずに、まず方向を整理したい(→ 国の無料のキャリアコンサルティング。上の表)
  • 継続雇用の条件や職場のトラブルについて相談したい(→ 勤め先の人事、総合労働相談コーナー)

外部の公式サイトへ移動します

有料のスクールの説明会に出ると、その場で申し込みを決めることになりそうで迷っている人へ

40代以上を想定したスクールの無料説明会で、申し込む前に、自分の状況で何ができるかと受講料を聞けます

費用
無料個別説明会は無料。受講は有料で、受講料は公式サイトに記載がなく、説明会で案内されます
かかる時間
複業起業コースのページでは、無料個別相談会は「60分・オンライン」。転職コースのページでは「全国どこでもオンライン参加可能」とされ、長さの記載はありません
分かること
状況を聞いたうえでの個別のアドバイスと、コースの内容・受講料。ほかの選択肢が合うと判断したときは、そう伝える場合もあると転職コースの FAQ に書かれています
申込後の連絡
説明会のあとの案内について、公式サイトに記載はありません。受講の契約は、契約書を受け取った日から8日以内なら理由を問わず全額返金で解除できると、特定商取引法に基づく表記に書かれています
ライフシフトラボの無料個別説明会を予約する

上の内容はライフシフトラボの公式サイト(トップページの FAQ、転職コース・複業起業コースのページ、特定商取引法に基づく表記)に書かれていることです(2026年10月26日に確認)。

出典